Leporello N° 03 by Fiona Banner aka The Vanity Press
スウェーデンの出版社「ll'Editions」によるアコーディオン形式のアーティストブックシリーズ「The Leporello Series」の第3巻。各巻は、250部限定のシリアルナンバー入りで、特注のボックスに作品が収められています。作品は立て置くことで飾ることができ、ボックスに収納した状態で本棚に収めることもできます。
第3巻は、「The Vanity Press」としても知られるイギリス人アーティスト、フィオナ・バナー(Fiona Banner)の作品。写真撮影ブースで撮影された一連のイメージを、「Bad Review」と読むように再構成したもの。彼女の作品「Portrait of an Alphabet」(2009年)のイメージが使用されています。突然のフラッシュは、小さな椅子が入る程度の狭いブースにあるプライバシーの概念を混乱させます。彼女は、自身が掲げる活字の印刷物によって遮られていますが、写真のずれや写り込んだ手の一部といったわずかな要素だけが、作品の背後にあるプロセスを明らかにしています。言語やテキストを作品に取り入れることの多いバナーにとって、この作品は自画像の一形態とも言えます。
フィオナ・バナー(1966年生)は、「The Vanity Press」という名前で活動しています。1997年、代表作「The Nam」で出版社を設立。それ以来、書籍、彫刻、パフォーマンスなど様々な作品を発表してきました。2009年には自分自身の名前を出版物として登録しました。ユーモア、葛藤、そして言葉が彼女の作品の中核をなしています。
バナーが最初に知られるようになったのは、「wordscapes」と呼ばれる、戦争の超大作からポルノまで、自分の言葉で映画を表現した作品でした。彼女はしばしば「ヌード」を扱っており、人間の姿をカテゴリーを超えた散文に変換しています。また、軍用機を再利用し、残酷で官能的、そしてコミカルな作品を制作しています。
発行部数: 250
サイズ: 148 × 191 mm
フォーマット: リジッドボックス、じゃばら折り
刊行年: 2021
デザイン: Lundgren+Lindqvist
出版: ll’Editions