Object-Oriented Identity: Cultural Belongings from our Recent Past
オランダを拠点として活動するハンガリー人デザイナー、ゾフィア・コラー(Zsofia Kollar)の作品集。研究者でもあるコラーは、素材を異なる視点、予想外の視点で思考し制作を行っており、その活動は毛髪を衣服として再利用する方法を編み出したことでも知られています。
本書は、モノとアイデンティティを辿る旅の記録でもあり、我々の消費における本質を理解することに一個人が魅了された結果として生まれた作品集でもあります。モノと歴史との間における奇妙な繋がりや、我々の個人的かつ集団的アイデンティティの中の、文化における関連性を探究します。もはや人間は行動の総体ではなく、所有するものの総体となってしまった。そんな生産志向の高い我々の社会において予測のつかなくなった道筋を、好奇心の名の下に一筋の光を見つける手助けをします。
日常で使われるものは、新たな視点を通して身近なアイテムが持つ別の側面を見せたり、「ものはいかにしてそのアイデンティティを変え、扱うことができるのか?」と問うために提示されます。モノは我々の体の一部となりつつあり、我々が所有するあらゆるものが身体や精神の延長線上にあります。人によって形作られた道具や、人を形成しようとしている道具は、我々の理解の端に存在します。その上で、道具がどのように人を形成するのか、この変化の激しい時代で形作られていくことにどのように対応するのか、我々は理解していかなければなりません。今日、消費活動は意思と関係なく進んでいきます。一部の人は、消費すること、もしくは我々が消費するものによって定義づけられているという、完全に人為的な「命令」に対し、喜んで追従しているということに気づいているのかもしれません。
ページ: 216
サイズ: 150 × 200 mm
フォーマット: ソフトカバー
言語: 英語
刊行年: 2022
出版: Art Paper Editions