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Skin
Goshi Uhira
美術家、宇平剛史(Goshi Uhira)の初の作品集『Skin』。何人かの被写体の、多様な肌理(きめ)とテクスチャーを持った肌が、白黒の繊細な階調によって表現されている。少し湿度を含んだような、やわらかい質感の紙が用いられ、細部に目を凝らすと、印刷特有の網点ではなく、細胞のような粒子だけが存在している。紙の毛羽立ち具合や、光の反射具合も、まるで本当の肌かと錯覚する程の風合いである。本作『Skin』は、宇平が自分自身に向き合い、自分の由来や存在のあり方を問う試みの一つである。それを象徴するかのように、表紙を含むいくつかのイメージは彼自身の肌でもある。宇平にとって身体とは、神殿のような未知の存在であり、自然の一部として畏敬を伴って認識されている。自分を知ることは、同時に、自分より大きな存在について体得することを意味する。宇平はその過程で、拡張された自己として他者の肌をも見つめ、人間あるいは世界の内奥に潜む本質へと向かっていく。秋山知宏(Tomohiro Akiyama)によるテキスト『内在する宇宙(AnIntrinsic Kosmos)』を収録。
ページ数: 64
サイズ: 226 x 306 mm
フォーマット: ハードカバー
言語: 日本語 / 英語
刊行年: 2018
出版社: 宇平剛史
生産国: 日本