Jean Chauvin: L’Ombre Atomique
20世紀初頭の抽象彫刻の先駆者の一人であるフランス人彫刻家、ジャン・ショーヴァン(Jean Chauvin)の作品集。2020年12月から2021年3月にかけてベルギー・ブリュッセルのギャラリー「Atelier Jespers」で開催された展覧会に伴い刊行されました。
ブロンズや木、石膏を用いた極めて様式化されたフォルムで特徴付けられている作品群は、抽象表現と具象表現の間に位置します。その造形は人間の動物性や性、自然、建築、テクノロジーや未来派といったテーマに基づいています。ショーヴァンは同時代のルーマニア人彫刻家、コンスタンチン・ブランクーシ(Constantin Brancusi)、フランス人彫刻家、画家、詩人のジャン・アルプ(Jean Arp)、ベラルーシ人彫刻家のオシップ・ザッキン(Ossip Zadkine)などとともに1950年代に作品を展覧。1962年のヴェネツィア・ビエンナーレでは、フランス代表作家として参加しています。ショーヴァンは生涯を通じてひたすら自身の彫刻を撮影し、それらのイメージにある自律性を与えました。ショーヴァンの性格が明るみになるような要素がすべて消し去られるようなドキュメンタリー美学に沿った写真は、状況や文脈に囚われず、彫刻そのものに焦点を当てています。光と影、色と素材のコントラストを繊細に見極めるために作品は、強い光が照らされている空間の中で黒または白の背景の前に配置されています。光と影が絶妙に交錯することによって、表面の優美なディテールや平面の変化が明らかになります。
本書には、これまで発表されたことがほぼなかった約60点の写真や、展示空間の写真、美術史家であるポール・ルイ=リニイ(Paul-Louis Rinui)がショーヴァンのカタログレゾネに寄稿したエッセイの一部が収録されています。
ページ: 80
サイズ: 220 × 300 mm
フォーマット: ソフトカバー
言語: 英語、フランス語
刊行年: 2020
出版: MER. B&L